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クリント・イーストウッド「父親たちの星条旗」。

今日も一日編集作業に明け暮れ、夜からは気分転換を兼ね映画館へ逃げ込んだ。昔から僕は暇さえあれば映画館へ駆け込む。
最近は忙しくて昔ほど通うことはなくなったが、「映画館」はしばし現実を忘れさせて、いろんな夢を観させてくれるポジティヴな場所だ。


今日はクリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」を観る。クリント・イーストウッドを映画人としても男としても尊敬しているわたくしめにとって見逃すわけにはいかない作品である。
「父親たちの星条旗」は、東京から1200キロ南、小笠原諸島のさらに南に位置している硫黄島を舞台にした太平洋戦争末期の硫黄島攻防戦(1945年2〜3月)を描いた米国映画。硫黄島の高地に星条旗を立てる兵士の写真は、当時の米政府によって戦費調達キャンペーンに使われたが「真実」は別にあり、戦費調達のため政府に英雄視され資金集めのために祖国に尽くすことを強いられる3人の兵士の苦悩と悲惨な戦闘シーンとが複雑に入り組んでドラマを形成していく。


「戦争はどちらが正義で、どちらかが悪でというものではない。私の2本の映画(硫黄島からの手紙<12月公開>)も勝ち負けを描いた映画ではありません。戦争が人間に与える影響、本当ならもっと生きることが出来たであろう人々に、与えた影響を描いています。」
「ずっと前から、そして今も、人々は政治家のために殺されている。硫黄島で戦死した米兵は平均19歳。15歳もいた」
「米国が今ほど分断されたことはない。私はイラクへの介入は優先課題ではなかったと考える側だ」
「政治家たちは最前線にいる者の運命より、自らのちっぽけな権力を行使し、保持することに関心がある」

観る前から、イーストウッドのコメントには胸を打たれる。

この映画を観終えて思うが、これまで様々な戦争映画とは全く違う。こういう映画を撮ったのはイーストウッドが初めてではないだろうか。とにかく普通の戦争映画とは違った感覚だ。ただの「戦争映画」というくくりで片付けられる映画ではない。もちろん戦争映画だから戦闘シーンはかなりリアル。人の首も転がれば、はらわたも出るし、あちこちに手足も落ちている。美化しようのない現実を生々しく表現している。兵士の撃たれ方も芝居っぽくない。凄い演出だと思った。
そしてまた、兵士が走るカットの後カメラが同じように兵士の主観になって走っていく画は観ている我々もあたかも戦場にいるかのような錯覚に陥る。日本兵にしてもそうだ。防護壁の隙間から米兵を狙う日本兵の主観がものすごいリアル。いつの間にか自分も洞穴のなかに潜んで銃を構えている人の目線になっている。戦艦から発せられる大砲も他の映画とは違う。発射される大砲の炎といい煙といい、映画というよりドキュメントを観ているような感覚。兵士が撃つ銃にしても、地面で爆発する手榴弾にしても全く新しい戦争体験をしているかのようだ。

それと驚いたのは、この映画の制作にスティーブン・スピルバーグの名前が連ねているということ。当初は「プライベートライアン」などの制作実績からCGなどの強みを活かしスピルバーグに応援でも頼んだのかと勝手に想像していたが、実際は原作権を持っていたのがスピルバーグのドリームワークスで、スピルバーグ自ら「このプロジェクト、あなたがやったらどうです。あなたが監督して私は製作をやりますから」と言ったことから実現したらしい。そんなことを言えてしまうスピルバーグも凄いよ。ハリウッドのみならず映画人として誰からも一目置かれる存在のイーストウッドは、もはや「神の領域」に達した人。まさに「生きる伝説」なのである。
日本側の視点で描いた「硫黄島からの手紙」(主演・渡辺謙、12月公開)が待ち遠しい。


東京都に属する硫黄島を視察する為、東京都庁を訪れ石原都知事を表敬訪問したクリント・イーストウッド
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YouTube動画渡辺謙が「硫黄島からの手紙」で000

これまで、急性骨髄性白血病やその再発、C型肝炎ウィルスの感染といった病をみごとに克服して渡辺謙は現在大活躍中です。 YouTube動画芸能界の000【2006/12/12 13:17】
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漆山弘志

Author:漆山弘志
1971年山形市生まれ。アームレスリング世界チャンピオン南波さんのジムで10年間アームレスラーとして活躍後、「あぶない刑事」「はみだし刑事」などのアクションを演出する高瀬将嗣氏主宰のガイズエンターティメントに所属し俳優としての活動を展開、同郷で日本映画界の巨匠・村川透監督のご好意で村川作品を中心に活動する。
現在地元山形へ帰郷し、独自の映像制作事業を展開しながら充電中。



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